『“頑張る”という曖昧な檻』
「頑張ってるね」
そう言われるたびに、すみれの中の何かがざわつくの
だってすみれは
頑張ってるんじゃなくて
ただ…抗ってるだけ
未来の不確かさに
自分の退屈に
欲望に
空虚に
先に先に、手を伸ばして
場所を変えて
身体ごと溺れて
何かに触れていたいだけなの
止まった瞬間
きっと“わたし”は崩れてしまうから
でもね
この止まれない性分が
今では愛しくさえ思えるの
やればやるだけ、何かが得られる世界に
すみれは甘えてるのかもしれない
「頑張ってる」って、誰が決めるんだろう
すみれにとっての“頑張る”は
もっと曖昧で
もっと淫らで
もっと…自由なのかもしれない
sumire1jou@gmail.com
LINE?pineapplede